2017年09月07日

与謝野晶子のほととぎす笛

与謝野晶子著、ホトトギス笛を読みました。小学校の授業で、読書感想文を書くことになった娘が選んだのです。『齋藤孝のイッキによめる!名作選(2年生)』に載っています。

齋藤孝のイッキによめる!名作選 小学2年生.jpg


夏休みに与謝野晶子の伝記を漫画で読んだので、与謝野晶子の作品を読んでみようと思ったのでしょう。僕も読んだことがなかったので読んでみました。

おもしろいです。おもしろかったので、読書感想文を書いてみることにします。



物語の冒頭で、主人公の敏子さんのもとに、木曽のおばさんから小包が届きます。その小包を開けてみると、ほととぎす笛が入っていました。その笛を吹いてみると、ほととぎすの声のように「きょん、きょん、きょん、きょん」と音がするのですが、聞く人によって聞こえ方が違うようです。

台所で吹くと、「タスキヲカケタカ」とお手伝いさんのの松には聞こえます。
また吹いたら、「ゾウキンカケタカ」と聞こえたようです。
兄さんの時は、「ニイサンオキタカ」と聞こえたようです。
姉さんの時は、「リボンヲカケタカ」と聞こえたようです。
その後も、家にいる人たちに様々に聞こえてくるエピソードが続きます。

ほととぎす笛の音を聞くと、自分が気になっていることが、声になって聞こえてくようです。「実にせわしい日だ」と思われながらも、用事が早く済んだ、と喜んでもらえたようです。

聞く人によって聞こえ方が全然違うというのは面白いです。それに、みんな気になっていることがあったんですね。きれいな笛の音が聞こえると、「あ、やらなきゃいけないことを思い出した」なんて感じなのかもしれません。

YOUTUBEで、ほととぎす笛の音を聞ける動画がありました。吹き方でイントネーションをつけて、生き生きとした鳥の鳴き声にできるようです。きれいな音です。

こんな笛があったら、すべきことを毎日どんどん片付けられて便利そうです。

与謝野晶子さんは、ほととぎす笛を実際に吹いてみて、人によって、その時々によって聞こえ方が違うのを実験したのでしょうか。こう聞こえるのだろうな、なんて想像で書いた物語だとしたら、同じリズムで色々な意味の言葉ができる、言葉遊びの達人ですね。恋愛の短歌が多いイメージのひとですが、こんなユニークな短編もあるんですね。

物語の最後に、眠くなった敏子さんが泣き出してしまいます。そこでお母さんが吹いてみると「トシチャンナイタカ」と聞こえたので、敏子さんは思わず笑った、となって終わります。

終わり方も楽しくて後味が良かったです。
イッキによめる名作選、に収録されるのに恥じない作品でした。



posted by irodori at 00:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください